ヤナギダだからね。

それは17時。
電車降りた瞬間降りだした、大雨。
暴力的なまでの大粒の銃弾がコンクリートに叩きつけられる。
傘はない。買うつもりも金もない。
濡れる前に走り抜けてしまえばいい。


次のアーケードまで4歩。その間2秒。
それで終わり。
びしょびしょです_| ̄|○
それだけ。それだけでズボンに濡れてない面などない。


そして屋根が途切れる。長い露天の下。
どうせ濡れない選択肢がないのなら堂々とつっきってやろう。
疾。
ポケットから落ちるiPod mini様。
がいーん、がっががが。
イントゥー水溜り。どおおおん。
ただでさえ勝手に音量が上がったり一時停止掛かったりしてたのが輪をかけて動作不良が出やすくなるし、イヤホンはブレイク。
さよなら、青き日々よ。


最短ルートでバイトの事務所まで到着。
途端、その熾烈さを弱める雨。
弱い雨音を背に、重い俺は事務所へと入っていった。